ハイディ・グラント・ハルバーソン
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ハイディ・グラント・ハルバーソン氏の「やり抜く人の9つの習慣」コロンビア大学の成功の科学の重要ポイントを要約していきます。

目標達成を成功するために必要な習慣を教えてくれます。著者のハイディ・グラント・ハルバーソン氏は、モチベーションと目標達成研究の第一人者です。

本書の重要ポイントは以下の5つです。

  1. 目標達成するには「具体性」と「差」
  2. 目標達成するには「計画」
  3. 目標達成するには「楽観的になる」
  4. 目標達成するには「成長すること」
  5. 目標達成するには「やり抜く」

目標達成するには「具体性」と「差」

目標達成のまずやるべき事は目標を具体的にすることです。なぜなら、目標を具体的にすると、やり抜く力が手に入るからです。例えば、痩せたいという目標であれば、5キロ痩せると具体的にします。するとゴールが明確になり、今やるべきことがはっきりとわかります。これは数千に及ぶ心理学の研究結果によって明らかとなっているもので、目標を達成するには、その目標が具体的になっていなければいけません。

あなたが仕事で結果を出したければ、年収を〇〇万円上げる、〇〇に昇進するといった具体的な目標を打ち立てる必要があります。

では、目標を具体的にしたら次は何をすればいいのでしょうか?

それが、「メンタルコントラスト」です。メンタルコントラストとは、私にとって「成功とは何か」と「成功への障害は何か」の2つを心の中で繰り返し考えることです。

なぜこのようなことをするのかと言うと、今自分に足りないものは何なのか、何をすべきかを自覚できるからです。これらが自覚できると、今の自分と理想の自分の差=コントラストが、ハッキリとし障害を取り除くために今何をすればいいかが明確になります。

このことから目標を達成するには「目標の具体化」と「差を明確にする」ことが重要なのです。

目標達成するには「計画」

目標達成には目標の具体化と差を考えることが重要でした。次はこれらをもっと具体的にしていくための行動です。それが行動計画です。

ハイディ氏が紹介するのは、「if-thenプランニング」です。if-thenとは、もしこうなったらこうするという意味ですがどんな行動をするかを事前に決めておくことで実行の確率を高められるということです。

事前に決めておくと実行できる確率が2~3倍も高くなると言われ、その有効性がうかがえます。方法はいたってシンプルです。

もし、「A」 なら、「B」をする。たったこれだけです。

例えば、
もし午前中に企画ができ上がらなかったら、午後一番に企画書を上げる
もしyoutubeを見過ぎて勉強が捗らなければ、youtubeを5分と決め、5分後には勉強に取り掛かる

超簡単ですが、効果は絶大です。なぜなら、「A」なら「B」というパターンは、脳にとって記憶しやすいからです。そして習慣化してくると、意識しなくても自動的に行動できるようになります。

やるべきことを決め、「if-thenプランニング」に落とし込むことで行動を習慣化することができます。

目標達成するには「楽観的になる」

やるべきことを事前に決めておくことで、行動できることが分かりました。ここまでは目標の立て方実践について触れてきましたが、ここからは目標を達成するために必要な心構えについて要約していきます。

引き寄せの法則をご存知ですか。簡単に言えば望めば手に入るという法則です。しかし目標達成において、「引き寄せの法則」は大きな落とし穴となる可能性があります。

望むことは簡単にできる、欲しいものは簡単に手に入る、と考えていると油断して必要な努力や準備を怠ってしまうのです。確かに引き寄せの法則のようにポジティブに考えることはとても大事なことですが、ハイディ氏が重視するのは、楽観的であれ自分に自信を持てというポジティブさです。

目標は達成できると信じるのはいいんですが、簡単に達成できるという非現実的な楽観主義者ではダメです。ではどうすればいいのか?

ハイディ氏は、非現実的な楽観主義者ではなく、現実的な楽観主義者になれと述べています。現実的な楽観主義者とは、成功を望み、それにふさわしい努力をする人です。目標達成が簡単でないことを意識しながら絶えず努力し、それでいて自分ができると思える人が成功できるのです。

目標達成するには、楽観的と現実を併せ持つことが重要です。

目標達成するには「成長すること」

目標を達成するための心構えは楽観+現実という要素が必要でした。次は目標達成には欠かせない成長についてです。

ハイディ氏は成長することに集中せよと述べており、成長の重要性が伝わります。

どうしたら成長できるのか?

それは「新しいことに挑戦する」です。

人は新しいことに挑戦すると大きく成長します。しかし新しいことに挑戦しようとしたとき、失敗するかもしれないと思いなかなか挑戦できません。

ハイディ氏が勧める心の持ち方として、失敗してもいいと開き直ることです。失敗してもいいと覚悟を決めると恐怖が半減します。

心理学の研究でも、「失敗してもいい」と考えると、実際に失敗する確率が低くなることが明らかになっています。ではなぜ失敗してもいいと考えるとうまくいくのか、それは次の2つのゴールで説明されています。

証明ゴール
成長ゴール

証明ゴールとは、「自分にはそれをする能力がある」「私はやり方を知っている」ということを証明するための目標です。
成長ゴールとは。「能力を伸ばして今まで出来なかったことをできるようにする」といった視点の目標です。

証明ゴールは、新しいことに挑戦するときに逆効果になります。なぜなら不安に駆られてしまうからです。しかし成長ゴールであれば、たとえ失敗したとしてもまた一つ学んだと思えるので不安に駆られることなく次へと挑戦できます。

成長ゴールを目指し、失敗してもいいと考えることで新しいことにチャレンジできるようになります。

目標達成するには「やり抜く」

成長ゴールを目指すことが目標達成の近道でした。では目標を達成するための力について要約していきます。

その力とは「やり抜く力」です。やり抜く力=グリッドです。

グリッドとは、「困難に屈せず長期的な目標達成に向けて全力を尽くす力」のことですが、目標達成には少なからずこうした泥臭い努力が必要なのです。

この力とは、心理学の観点から、「固定的知能感」と「拡張的知能感」です。

固定的知能感とは

一人一人の知能は持って生まれたものとして固定されているという考え方

拡張的知能感とは

能力は経験や努力を重ねることによって高めることができるという考え方

私たち人間は、自分の知能に関してこの2つのどちらかを持っていると言われ、ハイディ氏は「拡張的知能感」を進めています。なぜなら、固定的知能官は才能のせい、環境のせいにしてしまい成長がないからです。

一方、拡張的知能官はうまくいかないのは努力不足だ、戦略を間違えたと自分の努力や行動のせいにするので、また再度トライできるようになります。よって、「拡張的知能感」で自分をコントロールすると成功する確率が格段に上がります。

まとめ

  1. 目標を「具体的」にし現実との「差」を把握する
  2. 計画を「脳」にインプットする
  3. 「簡単ではないが自分はできる」と考える
  4. 「失敗してもいい」と考える
  5. 「やり抜く力」を身につける

やり抜く人の9つの習慣の重要ポイントを要約いたしました、参考になれば幸いです。