北野唯我氏の著書「このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法」
職業人生設計の専門家である北野唯我氏の著書「このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法」の重要ポイントを要約していきます。

「このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法」の重要ポイントは以下の4つです。

  1. 転職には「軸」が必要
  2. 生き残るには「マーケットを見る」
  3. 会社選びには「基準」がある
  4. 「転職は悪だ」は挑戦しない者のいいわけ

転職には「軸」が必要

本書は読者に深く共感してもらうためにストーリー形式で描かれています。主人公の青野は、今まさに転職を考えた30代前半のビジネスマン。しかし、特別な専門性もない、大きな組織を率いた経験もない自分が、転職を目の前にすると、手も足も出ないことを痛感する。しかし出世コースが先細りになっている今の会社にいても未来の展望が描けない。上が詰まっているから優秀な人から辞めていく。転職は30歳がピークとうたわれた雑誌のキャッチコピーに焦る気持ちが湧き出てくる…

こんな形で始まりますが、すごくリアルで、あなたもこの主人公のように焦っているかもしれません。主人公の青野はひょんなことから著名な経営コンサルタントである黒岩と出会い、転職に必要な思考を50万円で授かります。黒岩曰く、転職に必要なのは知識でも情報でもなく、どう選べばいいのかの判断基準である転職の思考法だといいます。

転職となるとなぜ決断できないのでしょうか?それは初めての意思決定だからです。転職を考える前は、いい大学に入って大企業に就職するレールに乗り、意思決定をしない生き方でした。転職の前に多くの人が不安や恐怖を感じてしまうのは転職という捨てることを伴う意思決定をしなければならないからです。
どう転職すべきか?転職に必要なものは何か?を決める「転職の思考法」を身につけることで。人生の分岐点を乗り越えていくことができます。

生き残るには「マーケットを見る」

転職には思考の軸となる転職の思考法を身につけることが必要不可欠です。黒岩からレクチャーされたのが、「自分のマーケットバリューを知る」ことです。自分のマーケットバリューを知っておけば、転職はもちろん、会社がつぶれたとしても食べていけます。

自分のマーケットバリーを知る上で注意したいのが、「上司を見て働くか」「マーケットを見て働くか」という視点です。上司を見て働くとは、会社のトップを目指すことです。しかしこれは会社が潰れたら生きていけません。マーケットを見ていれば、転職しても会社がつぶれても生きていけるのです。

マーケット視点を持つことが重要です。ではどうやったら自分のマーケットバリューを図ることができるのでしょうか。それが次の3つでわかります。

  • 技術資産
  • 人的資産
  • 業界の生産性

技術資産とは、価値のある技術をどれくらい持っているか?ということで、専門性と経験から成り立ちます。専門性とは、職種経験は技術のことです。
人的資産とは、人脈のことで自分の為に動いてくれる人を指します。転職しても自分を指名してくれる人をつくらなければなりません。
業界の生産性とは、その業界にいる人間が平均1人あたりどれほどの価値を生み出しているかということです。マーケットバリューは業界の生産性に大きく影響されるので業界の価値を知ることが必要です。これら3つを踏まえながらマーケットを意識することで転職が成功するのです。

会社選びには「基準」がある

北野唯我氏は会社選びについて3つの基準を設けています。

  • マーケットバリュー
  • 働きやすさ
  • 活躍の可能性

マーケットバリュー

業界の生産性のことです。業界の生産性が高く、1人当たりの粗利が高ければその粗利はそのまま給料に反映されます。生産性が高い産業もしくは市場が上向いている産業に転職することが必須です。反対に生産性が低く成長が見込めない産業はいくら魅力的な業界でも転職は失敗する可能性が高いです。

働きやすさ

社内の雰囲気、働きやすさも重要です。マーケットバリューと働きやすさは相反するものではないといいます。逆に長期的には一致することが多く、マーケットバリューを追い求めても働きやすさが低くなることはないです。

活躍の可能性

現段階で自分のマーケットバリューが低ければ活躍の可能性があるかを基準にしたほうがいいでしょう。なぜなら活躍して成果が出せれば断然仕事が面白くなるからです。この活躍できる可能性を浮き彫りにする質問があります。

・どんな人物を求めていてどんな活躍を期待しているのか?
・今一番社内で活躍し、評価されている人物はどんな人物か?
・なぜ活躍しているのか?
・自分と同じように中途で入った人物で今活躍している人はどんな部署を経てどんな業務を担当しているのか?

この質問に対して答えを明確にイメージできれば転職は成功するといいます。このように転職するための会社選びは基準を持つことが重要です。

「転職は悪だ」は挑戦しない者のいいわけ

長年勤めてきた会社から転職しようとしたとき誰もが迷いを感じます。転職に失敗するのではないか、後任がいないため、やめられないのではないか、今の会社に残っていいかもよく言われるのが転職は悪だという言葉です。
しかし根拠はなく、転職できないもの=マーケットバリューのない人間の言い訳です。黒岩は迷う青野に対し、次のように述べています。

いいか、転職が悪だというのは、新たな選択肢を手に入れる努力を放棄した人間が発明した姑息な言い訳に過ぎない。人間には居場所を選ぶ権利がある。転職は「善}なんだよ。個人にとっても社会にとっても

自分にマーケットバリューがあり、いつでも転職できる力があれば会社に対して対等な立場で接することができます。しかしマーケットバリューもなく選択肢を失った瞬間途端に仕事が窮屈になるのです。自分の価値をもっと上げるべく転職するのであれば、それが自分にとっても社会にとってもプラスに働くのです。

一番避けたいのは、組織の理論が先行し、自分には選択肢がないと挑戦を諦めることです。挑戦を諦めた瞬間転職はおろか人生に失敗したことになるのです。このことから転職は悪だという言葉にあぐらをかくのではなく、転職は「善」だと思い、挑戦することで人生を成功させることができます。

転職の思考法まとめ

  1. 転職に必要なのは「意思決定」の軸を持つ
  2. 自分の「マーケットバリュー」を測定する
  3. 会社選びの「基準」を頭にたたき込む
  4. 転職は「善」と認識する

「このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法」の重要なポイントを要約してきました。これを機会に手にとって読んでみましょう!参考になれば幸いです。