満尾正さんが書いた「食べる投資」ハーバードが教える世界最高の食事術の重要ポイントを要約していきます。
・たくさん寝ているのに疲れが取れない…
・なぜかやる気が出ない…
と体の不調を訴える方が多いです。そんな方に向けて、栄養学の観点からパフォーマンスを上げる食事術について解説していきます。著者の満尾正氏はハーバード大学で、最新栄養学を研究してきた人物です。
本書の結論重要ポイントは以下の5つです。
- 健康は「最大の資産」
- 現代人は「栄養失調」
- お手軽な投資は「納豆」
- 「食べない投資」も投資になる
- 「食べることを休む」という考え方
健康は「最大の資産」
そもそもなぜ食べることに投資すべきなのでしょうか?その答えは、仕事や人生の質は「食」で決まってしまうからです。現在は、先行き不透明な時代と言われます。将来の展望が見えない時代に必要なのは「健康」です。
なぜなら、健康を害したら仕事やお金がなくなることはもちろん、楽しい時間を過ごすこともできなくなるからです。では、健康を維持するには何が必要でしょうか?
それが「食」です。
食こそが、栄養の基盤であり、栄養知識を身につけ実践することで健康を維持できます。健康という資産を築き上げ、投資することで先行き不透明な時代を生き抜くことができるのです。
現代人は「栄養失調」
食への投資が健康という資産を築くポイントでした。ここで一つお伝えしておかなければならないことがあります。それは現代人は栄養失調ということです。こんな豊かな日本でそれはあり得ないというのが正直な感想でしょう。
しかし、これは事実で、現代人は体にとって本当に必要な栄養素が不足して、不必要なものは過剰になる「現代型栄養失調」状態なのです。
あなたはこんな心当たりがありませんか
- コンビニやスーパーの出来合い食品を食べる
- ご飯・麺・パンが好き
- 毎日甘いおやつを食べ
- 疲れが取れず常にだるい
- 食後に眠くなることがある
- ぐっすり眠れないと
- 頭がすっきりしない
- 気持ちが落ち込みやすい
これらは現代型栄養失調の特徴であり当てはまる人は要注意です。ではなぜ、「現代型栄養失調」に陥ってしまうのでしょうか。その原因は、栄養を無駄に消費しているからです。
代表的なものが「白米」です。白米は玄米から糠(ぬか)を取り、加工して食べやすくしています。玄米には、もともとビタミンやミネラルを多く含んでいます。それを食べやすく加工してしまったことで、本来なら摂れる栄養素を無駄に消費していたのです。
このことから現代人が口にするものは、栄養価の落ちている食品であり、食べやすさ追い求めた結果、栄養失調に陥ってしまったのです。
お手軽な投資は「納豆」
では、「現代型栄養失調」にならないようにするためにはどんな食事をとればいいのでしょうか?
最初に知っておかなければならないことが、正しい食事を習慣化することです。食べる投資は、毎日の積み重ねですので、「長期投資」と考えなければなりません。長期投資というと長い道のりで挫折してしまいそうですが、習慣化すれば抵抗はなくなり毎日続けることができます。
まずは、正しい食事を習慣化しましょう。オススメが「納豆」です。納豆を1日1パック食べるだけで、腸内細菌叢が整えられ感染症予防・骨が丈夫になる・動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞の予防・炎症・アンチエイジング効果などの効用があります。特筆すべきは感染症予防です。
納豆菌は、微生物の中でも最強の増殖力を持ち、体内に取り入れると、悪玉腸内細菌の繁殖を抑え、腸内細菌叢を最適の状態にしてくれます。O-157など病原性大腸菌の増殖を防ぐほど強力なので感染症予防に期待できます。
「食べない投資」も投資になる
食べない投資とは、文字通りパフォーマンスを下げるハイリスクな食品を「食べない」ことです。何を食べるかは確かに重要ですが、何を避けるかも同じくらい重要です。なぜならどんなに体にいいものを食べていても、健康被害をもたらす食べ物を食べていれば全てが台無しになります。
ではいったい何を食べてはいけないのでしょうか?
満尾氏が避けるべき食品と警鐘を鳴らすのが「糖質」です。糖質は効率よく細胞のエネルギーを生み出す貴重な栄養素ですが摂り過ぎは大変危険です。しかし現代人の生活はというと、朝にパン、昼にパスタを食べ、午後はお菓子を食べ、健康のために野菜ジュースを飲み、夜は外食といったように糖質ばかりな食事をしていることが多いです。
糖質過剰摂取による体への影響をお伝えします。まず糖尿病です。血糖値が適正値よりも高い状態が続く病気で、現代人のに20%~30%が罹患するといわれます。原因は、インスリン分泌不足やその働きに異常があることです。
次に動脈硬化です。高血糖状態が続くと、血中インスリン濃度が高い状態になります。すると動脈の編成が起こりやすくなりその結果動脈硬化が進行し、高血圧や心臓疾患の原因となります。動脈硬化によって血栓ができると、その先の細胞が死んでしまい脳梗塞や心筋梗塞になるのです。
糖質過剰摂取による弊害はその他、「肥満」や「脳機能の影響」など多岐に渡り様々な悪影響を体に及ぼします。
「食べることを休む」という考え方
食べない投資の究極「ファスティング」です。ファスティングとは、「断食」のことで一定期間固形物を摂取しないことで消化器官を休ませ、体をリセットすることです。慢性炎症の改善に効果があると言われます。
12名の健常人を対象に、数日間のファスティング前後の血液細胞の変化を調査した結果、血液細胞の一種である単核球の数が多い人は、ファスティング後に単核球数が減少していることがわかりました。単核球とは、炎症反応に呼応してその数を増やす特徴があり、炎症が進むと数が増え、炎症が止まると数が減ります。
炎症が緩和する理由は、ファスティング自体が抗菌作用を弱めているのではないという事です。他の調査ではファスティングタイムが長いほうが「健康長命」に効果的であるという報告があります。その研究では、食べているものの質は関係ないという点です。
栄養学の観点から言えば、何を食べているかが注目されます。しかし食べない時間を意識的に摂るほうが胃腸や肝臓などの消化器官の修復時間が長くなり、体の調子が良くなるということです。
そこで満尾氏が勧めるのが、休みの日に行う「プチ断食」です。
にんじん1本、トマト1個、レタスかキャベツを3枚、ほうれん草半分をミキサーにかけ食事代わりに1日3回飲むという方法です。このプチ断食を行うと、消化器官がリセットされ排泄機能が高まり老廃物を出し切ることができます。
以上のことから食べることを休むという考えであるファスティングを視野に入れることで、食べない投資を成功させることができます。
まとめ
「食べる投資」のまとめです。
- 健康は「資産」として捉える
- 正しい知識で「栄養失調」を撃退する
- 今から「納豆」を食べる
- 食べないことも投資と捉える
- ファスティングを取り入れ体をリセットする
食べる投資の重要なポイント5つに絞って要約しました。参考になれば幸いです。