田中奏多氏の著書「眠る投資」ハーバードが教える世界最高の睡眠法の重要ポイントを要約していきます。
睡眠は毎日行うからこそ、「ただの睡眠」と「投資としての睡眠」とでは、大きな差が生まれます。積立投資のように投資としての睡眠は、1日だけでなく1ヶ月・1年と長くなればなるほど効果を発揮します。あらゆる不調は睡眠から現れ、睡眠リズムを整えることでストレスに負けない健康体が手に入るということです。
- 集中力高い状態で働き、高い生産性を叩きだすためには睡眠が重要
- 睡眠こそが人生のあらゆる問題を解決する手段
- 睡眠という薬を正しく摂取するかどうかであなたの人生は決まる
人生において最も重要な睡眠にしっかりと投資することで、大きなリターンを得ることができます。
睡眠投資ほど高率の良い投資はない
著者の田中氏は、「睡眠投資はサプリメントよりも投資効果が高い」と述べています。
サプリマントは持ち歩くのを忘れてしまったり、購入ができなかったり、高価で継続するのが難しいという現実があります。しかし睡眠は生まれてから行っており、意識を少し変えるだけで大きな変化が起こり、お金をかけずに習慣することができます。
投資としての睡眠を行えば、夜の睡眠の質が上がるだけではなく、日中のパフォーマンスが向上し、日中の活動が夜のより良い睡眠を作ります。投資としての睡眠は副次効果が大きく総合的にサプリメントよりも投資効果が高いのです。
睡眠は人間の生活すべてに影響を及ぼし、睡眠が乱れると朝起きられなくなったり、疲労感で体を動かしたくなくなったりします。体力を使わないので、食欲がわかずその結果、体に必要な栄養素は不足するマイナスのスパイラルに陥ってしまいます。
逆に睡眠さえ整えば、元気になり運動する「意欲」が湧いてきたり、「食欲」がわいてきたりと自然と体が整います。睡眠さえ整えば、食事や運動もしっかりやろうという気力が湧いてきます。
しっかりとした食事や運動を取るためにはまず、睡眠を整えなければいけません。
睡眠への投資は早ければ早いほど良いです。眠る投資は何歳から始めても遅いということはありません。睡眠は脳を休め、体の炎症を抑えます。睡眠投資は、心身を安定させて昼の生産性を高め、中長期的には生活習慣病・認知症などの予防に繋がり健康寿命を延ばすことができます。
具体的な睡眠の投資方法
具体的に睡眠に投資するためのテクニックを解説していきます。朝・昼・夕方・夜のそれぞれに行うことがありますので順番に要約します。
朝
目が覚めてすぐに1000から2500ルクス以上の強い光を浴びることです。1000から2500ルクスの強い光を浴びれば、脳は朝がやってきたと認識して覚醒を始めます。眠いと思って起きても強い光を浴びれば脳は覚醒していきます。
田中氏のおすすめは、毎朝同じ時間に5分以上太陽の光にあたることです。すると睡眠のリズムが安定していきます。
太陽光を浴びることを朝の生活の中に取り入れると習慣化しやすいです。
どうしても二度寝がしたい時は、ベッドから出て窓際の太陽光があたるところで二度寝してください。人間は目を閉じていても、網膜から脳に光を届けることができます。
昼
昼にしたい睡眠の投資は、計画仮眠です。人間の脳は、起床して4時間後に一番冴えるのですが、起床後8時間になると生理的に眠気が起こり、脳のパフォーマンスが落ちます。
例えば、朝6時に起きたとしたら14時頃には生理的な眠気がやってきてパフォーマンスが落ちます。この時間帯に眠くなってしまうのは生理的なものなので仕方ありません。気合や根性で乗り切るのは無理です
ですから、起床から8時間後に「計画仮眠」をすることを筆者は推奨しています。
計画仮眠のコツは5つあります。
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- 眠くなる前に行うとこと
- コーヒーや緑茶などカフェインを含むもの飲む(カフェインは約15分で効果が現れて目が覚めやすくなります)
- 仮眠の時間は10分から15分にとどめる
- 椅子に座ったままうつ伏せになり首を固定する
- 目を閉じるだけで良い
仮眠というと、眠りに落ちなければいけないと感じるかもしれませんが、目を瞑るだけで脳は休みます。眠くなる時間帯にこの計画仮眠をすることによって、効率よく体力や集中力を回復することができます。
夕方
人間は深部体温が下がると眠くなり、深部体温が上がると覚醒します。生理的体温リズムは、夕方に深部体温が上がります。夕方の運動は、深部体温を上げることにつながり、夜寝るときに深部体温が下がりやすくなり夜の深い睡眠を作ります。
夕方の運動は、15分のランニングでも構いません。さらに1日の体温リズムを安定させるには、体温を保持するある程度の筋肉量が必要です。睡眠の投資として普段から筋トレや体を動かしたりして、体温調節のベースを作っておくことも良い睡眠に役立ちます。
夜
寝る2時間から4時間前は1日の中で、もっとも眠りに入りにくい時間帯です。なぜならこの時間帯は睡眠物質メラトニンの量が少ないので眠る時間の前に早めに寝ようと思ってもなかなかんでつけないわけです。寝ようと思ってベッドに入ってもなかなか寝付けないときは、いったんベッドから出てみることです。
そして、もう一つ、寝る2時間前に電気を消してお風呂に入るということです。お風呂の電気は目の近くにあり、強い光は睡眠を司るメラトニンを低下させてしまいます。だから浴室の電気は消して、脱衣場の電気だけで入浴すればだんだんと体は眠る準備に入っていきやすくなります。
最強の1日の過ごし方
この通りに1日を過ごしていただければ睡眠投資は完璧です。最強の1日の過ごし方を時間別に詳しく紹介していきましょう
午前7時起床。朝は決まった時間に起きます。目覚めたらカーテンを開けて日の光を浴びる
窓から1メートル以内で5分間の日光浴をしてメラトニンを低下させます。朝にシャワーを浴びる場合は、熱めの方が体温が上がり交感神経優位になるので目覚めも良くなります。
朝食は、おにぎり・具沢山味噌汁・焼きバナナを食べます。体内時計を中枢の体内時計に合わせることで脳と体がスムーズに動きます。
そして、午前9時、起床2時間後になったら大切な決断をしましょう。睡眠中には記憶の整理と統合が行われております。一晩寝かせると自分の考えはある程度まとまり、決断しなければならない事柄を頭がクリアな起床2時間後に結論を出しましょう。
そして、午前11時、起床4時間後は頭が一番冴える時間です。最も集中が必要な仕事をしてください。
そして、午後12時から13時、起床5から6時間後は昼食です。セロトニンのもととなる、トリプトファンが多い魚定食にサラダを食べましょう。
そして、午後14時、起床7時間後は頭の動きが鈍くなるので計画仮眠をとります。計画仮眠は眠気がない時に行うのがポイントです。
そして、午後15時、起床8時間後は単純作業を行ってください。能率が悪いと感じたら、アーモンドやチーズなどトリプトファンが多いものを少量摂取してください。
そして、午後17時から18時起床10時間から101時間後は生理的に体温が最も高くなる時間帯であり、記憶力が高まるので暗記物などを行ってください。
そして、午後20時から21時、アルコールは控えていただきたいですが、飲みたい時は飲む前にコップ1杯の水を飲んでから飲むのが良いです。
そして、午後21時から23時、起床14時間から16時間後、寝る2時間前はテレビ、スマホ、PCなどはオフにして、寝る1時間前にお風呂に入ると体温の調整がうまくなり睡眠の質が向上します。
こちらが、最強の1日の過ごし方となります。まずはできる部分からスタートしてみて効果が実感できれば、実行に移す部分を増やしてみるやり方がいいでしょうね。参考になれば幸いです。