梅田悟司
元電通のコピーライターである梅田悟司氏の著書「「言葉にできる」は武器になる。」の重要ポイントを要約していきます。

「自分の考えを言葉にできない」「もっと人を惹きつける文章を書きたい」などコミュニケーション時代の悩みを解消します。重要ポイントは4つです。

  1. 「内なる言葉」に気づくことで「言葉にできる」
  2. 向き合うには「外に出す」
  3. 書き出すには「紙に書く」こと
  4. 言葉にするには「型」と「心構え」

「内なる言葉」に気づくことで「言葉にできる」

言葉にできるは武器になるですが、なぜ言葉にできると武器になるのでしょうか?

答えは、言いたいことが言葉にできれば人を動かすことが出来るからです。SNSが普及した今、言いたいことが言葉にできれば人々を惹きつけ動かすことができます。仕事やプライベートにおいても同様です。

自分の言いたいことをシンプルに伝えられれば、成果につながります。恋人同士言いたいことを言葉にできれば関係が長続きします。

このように人間にとって言葉にできるは強力な武器となります。では、どうすればいいたいことが言葉にできるの?という疑問に梅田氏はこのように述べます。

内なる言葉で思考を深め、外に向かう言葉に転換する

言葉には2種類があります。

  • 外に向かう言葉
  • 内なる言葉

です。
外に向かう言葉とは、普段から使っている可視化された言葉です。
内なる言葉とは、無意識で頭に浮かぶ感情や自分自身と会話することで考えを深めるために用いる言葉です。

日常のコミュニケーションで用いる言葉とは別です。言いたいことを言葉にするには、この内なる言葉を育て外に向かう言葉に変換していくことです。

頭に浮かぶあらゆる感情や考えは、この内なる言葉によってもたらされています。今、何を考えているのか?頭の中にどんな内なる言葉が生まれているのか?を把握することで外に向かう言葉は磨かれていきます。

内なる言葉に向き合い、外に向かう言葉に磨きをかけることで言いたいことを言葉にできるのです。

向き合うには「外に出す」

どうしたら内なる言葉に向き合うことができるのかという事です。梅田氏は次のように述べます。

内なる言葉の存在をはっきりと認識し、内なる言葉の語彙力と解像度を上げる。

重要ポイントは、内なる言葉の存在をはっきりと認識するということです。人は考えているようで思い出しています。頭の中がモヤモヤしていたり、何を考えているか分からなかったりというのは、過去の記憶を思い出そうとしている状態です。頭の中は過去の出来事や、気持ちを覚えている記憶域と新しい物事を考える思考域があります。

考えるという行為は、思考域で行われまですが、単独では機能しないので記憶域と情報をやり取りして行われます。自分の記憶と向き合いながら考えているので、モヤモヤしたり考えがわからなくなったりします。

対策は、記憶域にあるものをいったん外に出して、考えることに集中できる環境を整えます。具体的には、頭に浮かんでくる言葉をとにかく書き出すことです。

内なる言葉と向き合うには、内なる言葉を外に出し、存在を認識することです。

書き出すには「紙に書く」こと

どうすれば書き出すことができる?答えが著者が紹介する7つのプロセスです。

  • 頭にあることを書き出す
  • 「T字型思考」で考えを進める
  • 同じ仲間を分類する
  • 足りない箇所に気づき埋める
  • 時間を置いてきちんと寝かせる
  • 真逆を考える
  • 違う人の視点から考える

特に「重要な頭にあること」を書き出すについて解説します。

こんな経験がありませんか?

何か新しいアイデアを発想しようと思い、過去の出来事や感じた感情を思い出します。考えた挙句、口に出して話してみようとしてもなぜか言葉が出ない…

こんな状況に陥る原因は

  • 頭がいっぱいになった=よく考えたと誤解してしまう
  • 思考が進んでいくと、最初に考えたことが忘れ去られてしまう
  • 断片的で脈絡もなく、考えa散らかしていることに気づいていない

の3つです。これらを解決する方法が頭にあることを書き出すです。
梅田氏が勧めるのは「紙に書く」です。A4サイズの紙を横書きにしてペンを用意します。方法は簡単です。

「とにかく書く」この方法は、

  • 自分の頭の中を俯瞰して見られるようになる
  • リズム良く次々とかける
  • 大きな文字を書ける

というメリットがあります。書き出したものを分類したり、つなぎ合わせたりすることで、頭が整理され、考えを深めていくことができます。頭に浮かんだことをとにかく書き出したことで、頭の中が空になり、考える余裕が生まれます。内なる言葉を書き出したかったら、「紙に書け」ということです。

言葉にするには「型」と「心構え」

実際に言葉にする方法です。答えを先に言うと、言葉にするには「思いをどれだけさらけ出せるか」という点に尽きます。思いをさらけ出せると、何の準備をしていなくても話したり書いたりすることができるようになるからです。

思いをさらけ出すには2つの方法があります。

①言葉の型を知ること
②言葉を生み出す心構えを持つこと

言葉の型を知ることとは、思いが膨らむと外に向かう言葉は磨かれます。しかしあまりに思いが溢れすぎると逆に言葉にできない状態になります。そこで「型」です。学校で習った「言葉の型」を使うことで言葉にできない状態から抜け出せます。

言葉を生み出す心構えを持つこととは、

  • 「一歩先へ行く」心構え
  • たった一人に伝わればいい
  • 常套句を排除する
  • 一文字でも減らす
  • きちんと書いて口にする
  • 動詞にこだわる
  • 新しい文脈を作る
  • 見て気になる言葉を区別する

の7つです。言葉の型を知り、一歩先行く心構えを知ることで自分の思いを外に向かう言葉へと変えていくことができます。

「言葉にできる」は武器になる。まとめ

  1. 「内なる言葉」に向き合い言葉を磨いていく
  2. 思考を集中させるため「内なる言葉」を自分から切り離す
  3. A4の紙水性ペンを用意し「とにかく書く」
  4. 思いをさらけ出す「型」と「心構え」を身につける

「言葉にできる」は武器になる。の重要ポイントを要約してみました。参考になれば幸いです。